■ はじめに
私たち機器メーカーは、サウンドに変化を与える最も大きな要素はミュージシャン自身だと思っています。もちろんその理由は、文字通り自身が楽器を手にしているからに他なりません。その最も大きな要素であるミュージシャンに寄り添ったDI / Preampの開発を目標にしています。
■ 電源
一般的なDIの多くは、電圧/電流の制限のあるファンタム電源から供給されています。しかし、私たちは、電源が非常に重要であることを知っています。
よって、高品質で高音質なスイッチング電源を選定し、更にORBオリジナルディスクリートレギュレーターを搭載しています。これにより、SW電源のスピード感のある音を生かしながら、低歪みにすることにより、粒立ちが良く、張り出し感のあるサウンドを実現しています。
■ 高音質部品
最高のパフォーマンスを実現するために、各部品のスイートスポットを探すことは当然のことです。アンプのスイートスポットを見つけるには、妥協のない部品を使用し、適切な電圧と電流を見つけ出し、それらの長所が際立つポイントを探すことです。
個々のデバイスには、それぞれが最高のパフォーマンスをするスイートスポット(多くの場合、劇的に優れているポイント)があり、そのスイートスポットを見つけることは、パフォーマンスを最大化するための強力な手法です。
トランスは、現代の技術では、あまり使用されなくなりましたが、地球上で最高の音楽のいくつかは、トランスを使用した信号で録音されているということが真実です。
Clear Force Ultimate DI / Preampは、バランス信号を送るときに厳選されたオリジナルの出力トランスを使用しています。これにより、SN比とトランスによるサウンドのサチュレーション(飽和感)が向上することにより、オペアンプだけでは得られないサウンドを実現しています。
■ 入力バッファ
特に出力インピーダンスの高い楽器(パッシブ)と直接接続する場合は、入力バッファの質が悪いと音質をスポイルしてしまいます。
このポイントに汎用的なアンプを使用すると、特性は良くてきれいな音がするが、音楽的ではなくなる場合があります。ORBオリジナルのディスクリートバッファを採用することにより、良質な歪みの影響で音に密度感が増し、音楽的な表現になります。
歪みは、主にデバイスの質とデバイスの両端の電圧、流れる電流、および温度の変化によって変化します。これらの数多くの条件のもと、様々な歪みが生じます。
Clear Force Ultimate DI / Preampは、オペアンプだけでなく、部品を組み合わせたディスクリートのバッファを独自に設計しています。この理由は、まさにデバイスの最高のスイートスポットを見つけるために、電圧、電流、温度条件を細かく調整しています。
■ プリアンプ(EQ)
DIにプリアンプ機能を搭載した理由として、私たちは、マイクレベルからラインレベルに向かう時こそが最大のインパクトだと考えています。プリアンプをオーバーロードさせた際のふるまいは全く異なります。プリアンプのコンプレッションと歪み方や、トランスによるサウンドのサチュレーション(飽和感)等がそれぞれのユニークな特長を決定付けるのです。
レコーディングではオーディオインターフェイス、ライブではミキサーに対し、許される限りClear Force Ultimate DI / PreampのGAINを上げて出力することをおすすめします。きっと、抜けが良く、存在感のある音になります。